« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月

補講の通知

 この冬学期は月曜日が休日と重なる週が多い上に、11月26日の振替え授業を担当教員が失念し欠講となったこともあって授業時間数が足りない状況です。そこで、教養学部の教務係(前期課程担当)と打ち合わせをし、次のとおり、教養学部の補講期間中に各日2コマずつ、「会計」の補講を行うことにしました。

  1月28日(水) 1限、2限
  1月29日(木) 1限、2限

 教室は両日とも通常授業の時と同じ、1323番教室です。

|

減損会計・リース会計・繰延資産会計の講義用資料

 12月22日の授業で配布した講義用資料を掲載します。
 (教室で配布した資料に含まれている「リースの開示例――メッセージ――」と「減損損失の開示例――三井不動産――」はファイル・ベースの資料ではないため、以下で掲載する資料には含まれていません。)

1.減損会計における使用価値の計算例
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/example_value_in_use20081222.pdf

 わが国の固定資産の減損会計(教科書、第7章)においては、減損損失を認識する段階では割引前の将来キャッシュ・フロー(割引前の使用価値)と資産グループの帳簿価額(未回収額)を比較し、減損損失を測定する段階では、回収可能額(割引後の使用価値と正味売却可能額を比べて大きい方)と資産グループの帳簿価額を比較することになっています。

 その際の割引前の使用価値と割引後の使用価値をどのように計算するのかについて、理解を助けるため、簡単な数値例を掲げたものです。

 なお、1・2限の間の休憩時間に、「なぜ、わざわざ割引前使用価値を使うのか」という質問がありました。大変重要な質問ですので簡単に解説しておきます。たとえば、割引前使用価値100、割引後使用価値88、資産グループの帳簿価額94の時、わが国の会計基準を適用すると、割引前使用価値>帳簿価額、ということから、減損損失は認識されないことになり、この時点で減損検査は終結となります。

 しかし、国際会計基準では、そもそも、減損損失の「認識」と「測定」という2段階の手続きはなく、割引前使用価値が用いられる場面はありません。そこでは、割引後使用価値と帳簿価額を直ちに比較する形で減損損失の「認識」即「測定」がなされます。そうなると、上の例では、割引後使用価値<帳簿価額で、両者の差額6が減損損失として計上されることになります。したがって、国際会計基準との対比でいうと、日本の会計基準は国際会計基準にはない、割引前使用価値と帳簿価額の比較を挿入したことにより、減損損失を計上するハードルを高くした(減損損失を計上する機会を狭めた)といえます。

 わが国の会計基準がこのような取り扱いをした理由は明示はされていませんが、「減損損失の測定は、将来キャッシュ・フローの見積りに大きく依存する。・・・・・・成果の不確実な事業用資産の減損は、測定が主観的にならざるを得ない。その点を考慮すると、減損の存在が相当程度確実な場合に限って減損損失を認識することが適当である」(企業会計審議会「固定資産の減損に係る会計基準に関する意見書」平成14年8月9日)という考え方が影響していると考えられます。
  このような考え方から、減損損失を計上するかどうかを最終的に判断する前段で割引前使用価値を用いて減損の有無を裁くことが適切なのかどうかは大いに検討の余地がありますが、これについては次の別紙で担当教員の見解をまとめましたので参照してください。詳しくは来年度、醍醐が担当する予定の本郷での開講科目「財務会計」で取り上げます。

減損会計において割引前使用価値を採用することの影響と妥当性の検討
  <文書作成中>

2.減損会計の演習問題(教科書159ページの【数値例7-4】)の解説図
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/zukai_gensonkaikei_enshumondai20081222.pdf

3.リース会計と繰延資産の会計処理(教科書補足資料)
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/leasedeferredassets20081222.pdf

|

これからの授業予定と定期試験の日時の通知

年末・年始にかけての授業の予定と定期試験の日時について掲示します。
なお、1月28日、29日の補講期間中に、この講義の補講を行う予定ですが、目下、教務係で時間割を調整中です。決まり次第、教務係から掲示があると思いますが、授業でアナウンスするとともに、このブログでも掲示します。

12月22日(月)  通常授業
1月8日(木)   月曜日の時間割に振替授業のため、「会計」を通常の時間割にそっ
           て授業します。
1月12日(月・休日) 
           休日のため休講
1月19日(月)   通常授業

2月16日(木)   「会計」定期試験 8時30分~10時00分
           本郷キャンパス 6・7・8・9番教室

|

「固定資産の原価配分と評価」(講義用配布資料)を掲載します

 1215日の授業で配布した資料「固定資産の原価配分と評価」(教科書、第7章)の原稿を掲載します。1222日の授業でも使います。

 講義用配布資料「固定資産の原価配分と評価」
 http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/koteishisan_no_genkahaibun_to_hyoka.pdf

 第7章で重要と考えられる論点は次のとおりです。

 
1. 取得原価を決定する原理としての「支払対価説」と「公正価値説」で結果に違いが生じるのはどのような場合か?

 2. 固定資産の自家建設の原資に充てられた借入金につき、期間中に支払われた利子を取得原価に算入する方法と期間費用(営業外費用)とする方法は、教科書の第2章(p.36以下)で説明した「見越しと繰り延べ」の類型とどのように対応するか? 取得原価算入法と取得原価不算入法のどちらを採用するかで損益計算にどのような違いが生まれるか?

 3. 国庫補助金や工事負担金を固定資産の対価の支払いに充てた場合に適用が認められている「圧縮記帳」が課税の繰り延べ措置といわれるのはなぜか?

 4. 7章の冒頭に掲げたTopix7で紹介した『日本経済新聞』の記事を、減価償却に備わる種々の機能――費用要素としての機能、評価要素としての機能、資金要素としての機能――に照らして、どう評価すべきか?

 5. ファイナンス・リースで使用する物件は、なぜ、資産化(オンバランス)が求められるのか? 資産化したリース物件の減価償却はどのように行われるか?

   6. 
固定資産(グループ)の減損会計は、第2章(p.38以下)で説明した「配分と評価」の論理に照らして、どのように意味付けできるか? 減損会計において、簿価と比較される回収可能見込み額を使用価値か正味売却価額か、どちらか低い方とするのはなぜか?

 (注)ひとつ前の記事として掲載した、「棚卸資産の原価配分と評価」に関する演習問題の正解中、【Ⅰ】の〔3〕の中の期別先入先出法を採用した場合の売上原価と期末棚卸高の回答にミスがありました。低価法評価損を期末棚卸高から控除するとともに、問題文で与えられた条件に従って売上原価に算入するのを漏らしていました。この部分を訂正の上、更新していますので、各自確かめておいてください。

*************************************************
余録
 教科書、第7章の冒頭に高見順の詩(『死の淵より』1964年、所収)を掲げましたが、これは「帰る旅」という詩の冒頭の一節です。以下、全文を掲げておきます。

        帰る旅

帰れるから
旅は楽しいのであり 旅の寂しさを楽しめるのも
わが家にいつかは戻れるからである
だから駅前のしょっからいラーメンがうまかったり
どこにもあるコケシの店をのぞいて
おみやげを探したりする

この旅は自然へ帰る旅である
帰るところのある旅だから
楽しくなくてはならないのだ
もうじき土に戻れるのだ
おみやげを買わなくていいか
埴輪や明器のような副葬品を

大地へ帰る死を悲しんではいけない
肉体とともに精神も
わが家へ帰れるのである
ともすれば悲しみがちだった精神も
おだやかに地下で眠れるのである
ときにセミの幼虫に眠りを破られても
地上のそのはかない生命を思えば許せるのである

古人は人生をうたかたのごとしと言った
川を行く舟がえがくみなわを
人生と見た昔の歌人もいた
はかなさを彼らは悲しみながら
口に出して言う以上同時にそれを楽しんだに違いない
私もこういう詩を書いて
はかない旅を楽しみたいのである

高見順 
『死の淵より』(1964年)より 

|

棚卸資産の原価配分と評価に関する演習問題の正解

棚卸資産の原価配分と評価に関する演習問題の正解を掲載します。
http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/tanaoroshisisan_enshumondai_seikai20081207.pdf

各自、自己採点しておいてください。次回(12月15日)の授業で正解のプリントを配布し、解答にあたっての注意点を説明します。

*********************************************************
余録
プラハ城から見渡す町並み
Fh010023

|

棚卸資産の原価配分と評価に関する演習問題(訂正版)を掲載します

 先に予告したように、昨日(12月8日)の授業で棚卸資産の原価配分と評価に関する演習問題兼解答用紙を配布し、授業の復習として各自、解答しておくよう話しました。ただし、教室で板書したように問【Ⅱ】の問題文にミスがありました。また、その都度後入先出法に基づく計算を示す解答欄にもミスがありました。
 そこで、改めて、問題兼解答用紙を掲載しますので、こちらを印刷して解答してください。
http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/kaikei_enshumondai2_20081208.pdf

今週末に正解をこのブログにアップします。

|

来週(12月8日)の授業の予告

 来週(12月8日)の授業は、「棚卸資産の原価配分と評価」の続き(教科書の6-4 棚卸資産の単価計算と原価配分」、110ページ以下)です。そこで扱う原価配分の諸方法は具体的な数値例で計算方法を習得することが重要です。そのため、教科書では、図解と記号式で一般化した説明(112~115ページ)と数値例(117ページ以下)を掲載しています。授業では、これらを説明した後、類題をプリントで配布し、短時間ながら教室で解答をしてもらい、その場で正解を説明します。なお、続問も用意しますが、それらは授業の後、各自解答してもらい、このブログに正解を掲載します。

 なお、12月1日の授業で、保守主義を説明するにあたって、保守主義の適用例として低価法を取り上げ、「洗い替え低価法」と「切り放し低価法」を説明しましたが、これら2つの低価法については、教科書の122ページで触れていますので、復習のつもりで一読しておいてください。

*****************************************************
余録
本郷の研究室から眺めた黄葉のキャンパスの風景
左端に見えるのが安田講堂、右手に見えるのが御殿下グランド_20081201_3   

|

« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »