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2006年11月

自習課題標準解答―小売業における流動比率の計算と分析―

 小売業における2005年度末時点での資産規模上位10社を抽出し、各社のの2004、2005年度の流動比率を計算すると、次のとおりである。
http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/kouri_top10_ryudohiritu.pdf

全体として、両年度とも各社で比率のバラつきが大きいが、そのなかで特筆すべき点を挙げると、次のとおりである。

 (1)ダイエーでは、2004年度から05年度にかけて、この比率が急激に上昇している。
 (2)セブン&アイ・ホールディングスの水準が15.8%と際立って低い。
 (3)丸井ではこの比率が270~300%と際立って高い。

  (1)ダイエーの流動比率が劇的に改善したのは経営の好転によるものではなく、講義で少し触れたが、2005年度中に取引金融機関から債務免除を受け、短期借入金期首残高約8,051億円がゼロになった(一部は決済による減少もあったと考えられるが、詳細は不明)ためである。

  (2)セブン&アイ・ホールディングスは2005年9月にセブン・イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、デニーズジャパンが株式移転によって設立した共同完全親会社である。さらに同年12月には経営再建中のそごう、西武百貨店の持株会社であったミレニアム・リテイリングも統合し、小売業界で最大規模の企業グル-プを統括することになった。同社の流動比率が15.8%と際立って低いのは事業活動を行わない純粋持株会社であるために資産の大半(98.0%)が固定資産に属する関係会社株式であるためである。ちなみに、セブン&アイ・ホールディングスの連結ベースの流動比率(2006年2月末現在)は113.0%となっている。また、同社(単独決算)の流動負債の99.3%は関係会社短期借入金である。こうした親子会社間取引は連結決算では相殺消去され、固定資産減・流動負債減となって流動資産の比重が高くなるため、連結ベースでは流動比率が大幅に上昇したのである。

 (3)
丸井の流動比率が高い主な理由は、同社が同業他社にはない消費者ローンも手掛けていることにある。2006年3月期の単独決算を見ると、流動資産に占める営業貸付金の割合は56.9%に達している。この項目が丸井の流動比率を押し上げる大きな要因になっていると考えられる。
 参考までに、丸井のセグメント別の業績(2006年3月期)を確かめると、カード・金融事業のシェアは売上高では全体の11.8%に過ぎないが、営業利益では40.9%を占めている。これは、小売事業の営業利益率が5.6%であったのに対してカード・金融事業では27.5%と際立って高かったことに起因している。

 

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第1回レポート課題(決算演習問題)

 次のURLを開き、決算演習問題(精算表完成問題)に解答せよ。
http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/kessan_enshumondai.xls
 解答提出期限は12月6日(水)午後5時。提出方法は12月1日の講義の時に説明する

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